「ペルソナ5 ロイヤル」を調べていると、検索候補に「ひどい」や「改悪」といったワードが並んでいることに気づいた方も多いのではないでしょうか。世界的に高評価を受けている作品なのに、なぜそんなに批判されているの?と疑問に思うのは自然なことです。
実際のところ、ゲームそのものがつまらないという話ではなく、特定の要素や販売方法に対して不満が噴出した結果として、ネガティブな評判が広がったという背景があります。今回は、ペルソナ5ロイヤルがひどいと言われるようになった経緯と、その具体的な理由を一つひとつ整理していきます。
「ペルソナ5 ロイヤル」ってどんな作品?
「ペルソナ5 ロイヤル」は、2016年に発売された「ペルソナ5(無印版)」をベースに、新キャラクターや追加シナリオ、システム改良などを盛り込んだ拡張版として2019年に登場しました。いわゆる「完全版」と呼ばれるタイプの作品です。
海外の有名レビューサイトでは95点という驚異的なスコアを記録しており、JRPGの傑作として広く認知されています。それでも「ひどい」という声が一定数存在するのは、気になる所です。
「完全版商法」への根強い不満
批判のなかで最も大きかったのが、いわゆる「完全版商法」に対する反発です。
無印版を定価で購入してプレイしていたユーザーが、追加要素を楽しむためにはロイヤル版を再びフルプライスで買い直さなければならなかった。この構造が、古参ファンにとってはどうしても腑に落ちないところ。
ストーリーの骨格は無印版とほぼ同じため、中盤まではすでに知っている展開を何十時間もなぞり直す必要があります。「また同じシーンを見るのか……」と感じながらプレイするのは、精神的にもなかなかしんどいものです。
リマスター版でも繰り返された「買い直し」問題
こうした不満は、2022年のリマスター版発売時にも繰り返されました。
PS4版を持っているユーザーが、PS5版にアップグレードしようとすると、割引や優遇措置がまったく用意されておらず、定価での購入が必要だったのです。他のタイトルでは少額またはほぼ無料でアップグレードできることも多い中、この対応は「既存のファンを軽視している」という印象を与えてしまいました。
さらに、リマスター版にはPS4時代に有料で販売されていた40本以上のDLCが最初から収録されています。新規ユーザーにとってはお得なのですが、コツコツとDLCを購入してきたファンからすると、「あのお金は何だったんだ」と複雑な気持ちになるのも無理はありません。
追加シナリオへの落胆
ロイヤル版の目玉コンテンツは、新たに追加された「3学期」のシナリオです。しかし、この3学期に進むためには、特定のキャラクターとの親密度を決められた期限までに上げておくという条件があります。これがくせ者でした。
ゲーム内でその条件が明確に告知されるわけではないため、何も知らずにプレイした人が100時間近く遊んだ末に、無印版と同じエンディングを迎えてしまうケースが相次ぎました。
「あれだけ時間をかけたのに……」という喪失感は相当なもので、ペルソナ5ロイヤルがひどいという感想が広がった大きな要因のひとつになっています。
3学期自体のボリュームへの不満も
ようやく3学期に到達できたとしても、今度はその内容の薄さが批判されました。
ゲーム全体のプレイ時間に対して、3学期のシナリオは約20日間分の出来事で完結します。50時間以上かけてたどり着いたのに、ボリュームが物足りないと感じるプレイヤーが続出したのは、ある意味当然の反応かもしれません。期待値が高いほど、落差も大きくなるものです。
新キャラクターへの期待と現実のズレ
ロイヤル版を象徴する新キャラクター「芳澤かすみ」は、パッケージや宣伝映像でメインヒロインのように扱われていました。しかし実際には、彼女がパーティに正式加入するのはゲームのかなり終盤、3学期になってからです。
序盤から顔は出るのに、なかなか仲間にならない。楽しみにしていた人ほど「もっと早くから一緒に冒険したかった」という気持ちが募り、物足りなさを感じてしまったようです。
丸喜拓人への評価は人によって分かれる
もう一人の新キャラクター「丸喜拓人」については、評価が大きく二分されています。
3学期のストーリーにおける彼の役割は確かに重要で、「幸福とは何か」「正義とはどうあるべきか」を問いかけるテーマ性は多くのプレイヤーの心に刺さりました。一方で、彼の行動原理や背景の掘り下げが不足しているという指摘もあり、感情移入しきれなかったという声も少なくありません。好きな人には刺さる、でも全員に刺さるわけではない、そんなキャラクターと言えそうです。
戦闘バランスが賛否を生んだ
ロイヤル版では戦闘システムに様々な改良が加えられ、テンポが大幅に向上しています。プレイの快適さという面では、明らかな進化といえます。
ただ、その改良が「易しすぎる」と感じさせてしまう側面もありました。弾丸が戦闘ごとに自動補充されるようになったり、強力な連携技が追加されたりと、ゲーム全体の難易度が下がったという声もあります。歯ごたえのある戦略的なバトルを求めていたユーザーからは「単調になった」「作業感がある」という感想が挙がりました。
後半になると選択肢が狭まっていく
戦闘における「最適解」が固定化されやすく、後半になるほど同じ戦術を繰り返すだけになりがちという指摘もあります。
序盤はペルソナの組み合わせやスキルの選択が楽しいのですが、プレイ時間が延びるにつれて「このパターンで倒せばいい」という状態になってしまうのは確か。長時間プレイする作品だからこそ、この単調さがより目立ちやすいのかもしれません。
無印版ファンが感じた「蛇足感」
もう一点、見逃せない批判として「ストーリーの改変」があります。
無印版の「ペルソナ5」は、その完成されたストーリーと余韻のある結末が高く評価されていました。ロイヤル版の3学期はその結末を覆す形で展開するため、「無印で完結していた話に無理やり続きを付けた感じがする」「蛇足では?」という意見が古参ファンから出てきました。
無印版への愛着が強い人ほど、追加要素をポジティブに受け取れないのはやむを得ない部分もあります。ペルソナ5ロイヤルがひどいという声の背景には、こうした複雑な感情も絡んでいるようです。
まとめ
「ペルソナ5 ロイヤル」に対する批判は、ゲームそのものの出来が悪いというより、期待値とのギャップや販売方針への不信感から来ているケースがほとんどです。
とはいえ、これらを事前に把握しておくだけで、購入後のガッカリ感はずいぶん軽くなるはずです。初めてプレイするなら文句なしの傑作ですし、無印版経験者でも追加シナリオ目当てに楽しめる作品。自分がどのタイプのプレイヤーかを考えながら、一歩踏み出してみてください。

